出張が多い人の「心が荒れる瞬間ベスト5」と、前もって決めておく事前対策ルール
出張や移動が多い働き方を続けていると、
いつの間にかメンタルの揺れ幅が大きくなっていることがあります。
- ちょっとしたトラブルで、必要以上にイライラしてしまう
- 現場が終わって一人になった途端、自己否定が始まる
- ホテルでダラダラしているうちに、逆に心が荒れてくる
「もっとメンタル強くならないとな」と思いがちですが、
そもそも出張が多い人は、
“心が荒れやすい構造”の中で働いていると言ってもいいと思います。
※このページは「出張職人の心を整える整備録」シリーズの第4回です。
第1〜3回の記事は、ホテル・移動疲れ・考えすぎ夜の対処法を扱っています。
出張が多い人は「心が荒れやすい構造」の中で働いている
環境変化と体力消耗で、メンタルの地盤が揺れやすい
まず、出張が多い人の共通点は、
- いつもと違う場所で
- いつもと違う人と
- 制約の多い時間の中で
パフォーマンスを出し続けることが求められている、ということです。
そこに、
- 長時間移動
- 生活リズムの乱れ
- 食事や睡眠の質の変動
が重なります。
つまり、
メンタルの土台になる「体」と「環境」が、常に揺さぶられている状態です。
「荒れない人」ではなく“戻れる人”になる発想
この前提がある以上、
「心が一度も荒れないようにする」は、かなり無理があります。
目指したいのは、
- 荒れない人 ではなく
- 荒れたときに戻れる人
そのためには、
まず 「自分が心を荒らしがちな瞬間」を知っておくこと がスタートラインになります。
心が荒れる瞬間ベスト5
ここからは、出張が多い人が特にハマりやすい
「心が荒れる瞬間」を5つに絞ってみます。
あなた自身の「あるある」と照らし合わせながら読んでもらえればと思います。
① 予定外のトラブルが起きた瞬間(遅延・ドタキャン・段取り崩れ)
- 電車・飛行機の遅延
- 相手側のドタキャンや予定変更
- 現場で予定していた段取りが通らない
こうした「自分ではどうにもならない要因」で、
一気に心が荒れることがあります。
頭では「仕方ない」と分かっていても、
- 自分の準備が否定されたように感じたり
- 一気にスケジュールが狂って焦ったり
して、感情が大きく揺れやすい場面です。
② 現場や商談が終わって一人になった瞬間
しかし、現場にいる間は、
アドレナリンも出ているので意外と持ちこたえられます。
問題は、
現場が終わって一人になった瞬間。
- 帰りの電車
- ホテルまでの道
- コンビニからの帰り道
そこで急に、
「さっきの説明、もっとこう言えばよかった」
「あの一言、いらなかったかな」
と、反省会が始まりやすい。
体力も気力も落ちているタイミングなので、
必要以上に自分に厳しい点数をつけてしまいがちです。
③ 夜、ホテルでスマホを見ながらダラダラしている瞬間
例えば、特に何をするでもなく、
ベッドの上でスマホを触り続けている時間。
- SNSをなんとなく眺める
- ニュースアプリをスクロールする
- メールやチャットをなんとなく開く
こういう「ダラダラ行動」は、
リラックスしているようでいて、
実は 脳に休む暇を与えていません。
結果的に、
- 自分を他人と比べて落ち込んだり
- 不安になるニュースを拾ってしまったり
して、心が荒れていくパターンです。
④ 思い通りにいかなかった日、ホテルに戻る道すがら
目標数字が届かなかった日、
うまく話がまとまらなかった日。
夕方〜夜の、
ホテルへ向かう道すがらは要注意です。
- 「自分にはセンスがないんじゃないか」
- 「こんなこと続けて意味あるのかな」
と、“今日はダメだった”が“自分はダメだ”にすり替わりやすい瞬間です。
⑤ 出張から帰ってきた翌日の「仕事と家のギャップ」に直面する瞬間
出張が続いたあと、
戻ってきた翌日は、ある種の「逆カルチャーショック」があります。
- 社内のペースに戻れない
- 家の用事が一気に押し寄せる
- 疲れているのに、通常業務に引き戻される
ここで、
「みんな普通にやっているのに、自分だけついていけてない」と感じて、
自己嫌悪に触れやすい。
瞬間別・事前対策ルールの作り方
大事なのは、
心が荒れてから何とかするのではなく、
**「荒れやすい瞬間ごとに、前もって“マイルール”を決めておく」**ことです。
ここではそれぞれの瞬間に対して、
具体的な対策のイメージを置いておきます。
① トラブル時は「まず◯◯する」と決めておく
例)
- 遅延や予定変更が起きたら、「まず深呼吸3回」
- その後、「自分がコントロールできること」だけをメモに書き出す
「まずやる動き」が決まっていると、
感情より先に行動にフォーカスできます。
② 一人になった直後は“反省会禁止タイム”を入れる
現場が終わって一人になった直後の◯分間は、
あえて 「反省禁止タイム」 にしてしまう。
- 駅までの10分は、何も考えずに景色を眺める
- 電車に乗って最初の3駅は、音楽だけ聴く
- ホテルに着くまで、仕事のことは考えない
「今は振り返りの時間じゃない」とラベルを貼ると、
夜の建設的な振り返りにつなげやすくなります。
③ ホテルでのスマホの使い方をルール化する
例)
- ベッドに入ったらニュースアプリとSNSは開かない
- 代わりに「プレイリスト」か「ラジオアプリ」だけOKにする
- スマホはベッドから手を伸ばせば届く距離に置かない
ルールは厳しすぎると続かないので、
“やること”より“やらないこと”を1〜2個決めるくらいで十分です。
④ ダメだった日の自分への「声かけテンプレ」を持つ
思い通りにいかなかった日のために、
あらかじめ「自分への声かけ」を用意しておきます。
- 「今日は運もタイミングも悪かっただけ」
- 「それでも◯◯はちゃんとやった」
- 「改善点は明日の朝10分で考えよう」
そのままメモ帳やスマホに保存しておいて、
落ちているときは“読むだけ”にするのもアリです。
⑤ 帰宅翌日の負荷を軽くしておく“予約”の工夫
可能であれば、
出張前に「帰宅翌日の予定」をあらかじめ軽めにしておく。
- 午前中はデスクワーク中心
- 大事な会議は入れない
- 夜は予定を詰めすぎない
スケジュール調整が難しい場合も多いですが、
**「帰宅翌日はフルパワーでは動けない前提で予定を組む」**と決めておくだけでも、
自己否定を減らすことにつながります。
ルールを“がんじがらめ”にしないための考え方
ここまで読むと、
「こんなにルール決めて守れるかな…」と
少し重く感じるかもしれません。
大丈夫です。
全部を完璧に守る必要はありません。
「守れた日」より「思い出せた日」を評価する
大事なのは、
- ルールを守れたかどうか、ではなく
- 荒れそうな瞬間に「そういえば、自分はこう決めてたな」と思い出せたかどうか
です。
思い出せた時点で、
すでに状況を一歩メタ視点から見られているので、
心の荒れ具合は必ず軽くなっています。
自分の言葉でメモしておくと、現場で使いやすい
この記事の内容をそのまま使ってもいいですが、
最終的には
- あなた自身の言い回し
- あなたの“あるある”フレーズ
に書き換えて、
スマホのメモや紙の手帳に書いておくと良いです。
自分の言葉で書かれたルールは、
現場で思い出しやすく、行動にも移しやすいからです。
まとめ:出張が多い人は、“心が荒れる瞬間”を知っておくだけで強くなれる
出張や移動が多い働き方は、
どうしても心が揺れやすい環境です。
だからこそ、
- 心が荒れる自分を責めるのではなく
- 心が荒れやすい「瞬間」を先に知っておく
これだけで、かなり戦いやすくなります。
- トラブルが起きた瞬間
- 一人になった瞬間
- ホテルでダラダラしている瞬間
- ダメだった日、帰り道の瞬間
- 帰宅翌日に現実に引き戻される瞬間
この5つの場面に、
あなたなりの事前対策ルールを1つずつ置いていく。
それを続けていくだけで、
「荒れない人」にはならなくても、“荒れても戻れる人”には確実に近づいていきます。
この記事を読みながら、
あなた自身の「心が荒れる瞬間ベスト5」と、
それぞれのマイルールをメモしてみてください。
それが、出張続きの毎日を少し楽にする
“心の整備マニュアル”のスタートになるはずです。
よくある質問:心が荒れる瞬間とどう付き合うか
Q1. 事前にルールを決めても、当日ぜんぜん守れません…
まず大前提として、「毎回完璧に守る」必要はありません。むしろ大事なのは、心が荒れそうになった瞬間に「そういえば自分はこう決めていたな」と思い出せることです。
思い出せた時点で、一歩メタ視点に立てているので、それだけでも感情の揺れ幅は小さくなります。
Q2. 心が荒れたことを、家族や同僚にどう説明したらよいですか?
次に意識したいのは、「自分を責める説明」ではなく「環境と構造の話」に置き換えることです。
たとえば、「出張続きで体力もメンタルも揺れやすい構造なんだよね。
そのうえで、今こういう対策を試してるところ」と伝えると、相手も状況を理解しやすくなります。
Q3. どれくらい続けたら効果を感じられますか?
もちろん個人差はありますが、まずは1〜2週間、「心が荒れやすい瞬間」と「自分のマイルール」を意識してみてください。
そのうえで、うまくいった日は何が良かったか、うまくいかなかった日は何を変えると良さそうか、軽く振り返るだけでも少しずつ整ってきます。
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出張勤務が続くと、睡眠やメンタルの乱れも起きやすくなります。
くわしくは、厚生労働省などの公的機関が出している「働く人のメンタルヘルス」や「睡眠と健康」に関する情報も参考になります。








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