――出張先のホテルでもできる心のリセット術
出張先のホテルや、自宅のベッドの中で。
- 仕事のこと
- 今日の言い方
- あの人の反応
- 次の案件の不安
- これからのこと
頭の中で、同じような考えがぐるぐる回り続けて、
「眠りたいのに眠れない」夜はありませんか。
「もう考えるのはやめよう」「明日考えよう」と決めたはずなのに、
脳が勝手に再生を始めてしまう感じ。
これは、意志が弱いからではなく、
“脳の性質”として夜にそうなりやすいだけです。

※このページは「出張職人の心を整える整備録」シリーズの第3回です。
第1回「ホテルで心を整える5分ルーティン」はこちら:
→ https://jet110.com/hotel-5min-routine/297/
第2回「移動疲れで心が荒れる日に効く『体から戻す』回復術」はこちら:
→https://jet110.com/travel-fatigue-recovery-44
なぜ夜は考えすぎてしまうのか
まず知っておきたいのは、
夜に考えすぎてしまうのは、ごく自然な現象だということです。
一日分の情報と感情の“決算処理”が夜にやってくる
人の脳は、一日中情報を受け取り続けています。
- 仕事のやり取り
- 移動中のアナウンスや人の声
- メールやチャット
- SNSやニュース
- お客様や同僚の表情や雰囲気
これらをすべて記憶しているわけではありませんが、
「重要そうだ」と脳が判断したものは、後からじっくり処理しようとします。
その処理のタイミングが、多くの場合「夜」。
- ベッドに入って静かになったとき
- スマホを置いて、何もしていない瞬間
- 明かりを消して、眠ろうとしたタイミング
外からの情報が減ったタイミングで、
脳が「そういえば今日のこれはどうだった?」と
“一日分の決算処理”を始めるわけです。
疲れているほどネガティブに寄りやすい理由
厄介なのは、
疲れているときほど、その決算処理がネガティブ側に寄りやすいこと。
- 反省が必要な部分だけが拡大される
- うまくいったことは、軽く扱われる
- 「また同じことが起きたらどうしよう」と不安がループする
体力と脳のスタミナが残っている昼間なら、
「まあでも、あそこはよくやったよな」とか
「次はこうすればいいか」と、バランス良く考えられます。
ところが夜になると、
- 体は疲れている
- 脳も一日分の処理で疲れている
- なのに決算処理だけは始まる
結果として、
“反省会だけがやたら長い”状態になりがちです。
結論:考えを「止める」のではなく“外に逃がす”
ここで大事なポイントがひとつあります。
考えすぎを解決しようとして、
「考えるのをやめよう」とするのは、実は相性が悪いということです。
「考える」と「反芻する(ぐるぐる)」は別物
まず、区別しておきたいのは、
- 問題を解決するために「考える」
- ただ同じことを繰り返し思い出しているだけの「反芻(ぐるぐる)」
この2つは、似ているようで別物です。
「考える」は、
- 事実を整理する
- 選択肢を出す
- 次の一手を決める
といった動きがあり、
ゴールに向かって前に進んでいきます。
一方、「反芻」は、
- 同じ場面や言葉を何度も再生する
- 結論が出ない
- 自分を責める方向に回りがち
という特徴があって、
前に進まないまま、エネルギーだけ消費する状態です。
夜のぐるぐるの多くは、この「反芻」です。
脳のタスク管理を紙に移すと、勝手に落ち着いてくる
では、どうしたら反芻が止まるのか。
ポイントは、
「考えるな」ではなく「外に逃がす」こと。
頭の中にだけ置いておくと、
脳は「まだ処理し終わっていない」と判断して
何度も同じテーマを呼び出します。
そこで、
紙やメモアプリに“外部保存”してしまう。
- 書いた=記録された
- 記録された=今すぐ処理しなくてもいい
と脳が判断すると、
自然と再生回数が減ってくる、という仕組みです。
ここからは、
そのための具体的なステップを3つに分けて紹介します。
ステップ1:3分でできる“脳のゴミ出しメモ”
まずは、頭の中のぐるぐるを
3分だけ紙に出す作業から始めます。
きれいにまとめなくていい、箇条書きで十分
ルールはシンプルです。
- きれいな文章にしなくていい
- 誰かに見せる前提で書かなくていい
- マイナスな言葉もそのままでOK
とにかく、今頭の中にあるものを、
「そのまま外に出す」ことだけを意識します。
書き出す内容の例:
- 今日いちばん気になっていること
- 何度も思い出してしまうシーン
- 明日が不安な理由
- 今抱えているモヤモヤ
1行だけでもいいし、
箇条書きで5〜10行になっても構いません。
4つの箱に分けて書く(事実/感情/タスク/手放すこと)
少し余裕があれば、
メモを次の4つの箱に分けるのもおすすめです。
- 事実
- 今日実際に起きたこと
- 「◯◯と言われた」「◯◯ができなかった」など
- 感情
- それをどう感じたか
- 「悔しい」「恥ずかしい」「不安」など
- タスク
- 明日以降に自分がやれること
- 「メールを一本送る」「資料を直す」など
- 手放すこと
- 今はどうしようもないこと
- 「相手がどう思っているか」など、自分ではコントロールできないもの
全部を書く必要はありません。
1〜2項目だけでもOKです。
「これは事実」「これは感情」「これはタスクじゃない」
と分けて書くことで、
頭の中でごちゃ混ぜになっていたものが整っていきます。
ステップ2:体からシャットダウンに入るミニルーティン
メモで「脳のゴミ出し」をしたら、
次は体をシャットダウンモードに切り替えます。
呼吸と脱力で“今ここ”に戻す
とてもシンプルですが、一番効くのは呼吸です。
- 椅子かベッドに座る
- ゆっくりと鼻から息を吸う(4秒くらい)
- 口から細く長く吐く(6〜8秒くらい)
- これを3〜5回繰り返す
大切なのは、「吐く方を長くする」こと。
吐く時間を長くすると、自律神経が落ち着いて、
心拍がゆっくりになっていきます。
あわせて、
肩や手、足の力を抜いていくイメージで
全身の力を少しずつ抜いていくと効果的です。
目と首をゆるめて、入力をいったん止める
もうひとつ大切なのが「目」と「首」です。
一日中、画面や人の表情を見ていると、
目と首は想像以上に疲れています。
- 目をぎゅっと閉じて、ぱっと開く
- まぶたの上を軽くおさえて、数秒キープ
- 首をゆっくり左右に倒す・回す
これだけでOKです。
目と首をゆるめることは、
「もう情報を入れなくていいよ」と脳に伝えるサインになります。
ステップ3:スマホと光を“睡眠モード”にする
せっかくメモと呼吸で整えても、
ここでスマホを開いてしまうと、
また脳が仕事モードに戻ってしまいます。
スクロールをやめるための物理的な工夫
- ベッドに入る前に、スマホを充電ケーブルに差して“定位置”に置く
- ベッドのすぐ横ではなく、少し離れた場所に置く
- どうしてもベッドに持ち込むなら、寝転んでからは「検索しない」ルールにする
特に危険なのは、
ニュースアプリ・SNS・仕事メール。
「ちょっとだけ」のつもりが、
簡単に30分〜1時間消えてしまいます。
“見ない工夫”は、意志よりも物理で作る方が続きます。
明日の自分へのメモを残してアプリを閉じる
どうしても明日の予定が不安なときは、
スマホのメモか手帳に、
- 明日やることを3つだけ書く
- 「最初にやる1つ」を◎などでマークしておく
ここまでやったら、
「あとは明日の自分に任せる」と決めてアプリを閉じる。
「メモにした=もう忘れてもいい」
と脳に教えることで、
今この瞬間に全部抱え込まなくて済むようになります。
出張先のホテルでの具体的なやり方(シーン別)
ここまでの3ステップを、
出張先のホテルでどう回すかをイメージしやすくするために、
シーン別に並べてみます。
ベッドに入る前にやること(5〜10分)
- デスクに座って、3分だけ“脳のゴミ出しメモ”
- そのまま椅子に座って呼吸+脱力
- スマホを充電して、ベッドから少し離れた位置にセット
ここまでできれば、
ベッドに入ったときには
「今日の決算処理の大部分」は終わっています。
もうベッドに入ってからでもできること(3〜5分)
もし、「気づいたらもうベッドの中」という日でも大丈夫です。
- 仰向けになって、ゆっくり3回深呼吸
- 天井を見るのをやめて、目を閉じて“目の筋肉を休ませる”意識をする
- 脳内で「今日頑張ったこと」を一つだけ思い出して、「ここだけはOK」と言ってから寝る
紙もペンも出したくない日、
スマホを触る気力もない日には、
この“超ミニバージョン”だけでも十分に価値があります。
翌日の自分が楽になる「考えすぎ夜」の捉え方
脳シャットダウン法をやっても、
「今日はうまく切り替えられなかったな」と感じる日もあります。
そんな日こそ、
翌日の自分のためにラベルを書き換えておくと楽になります。
うまくシャットダウンできなかった夜もOK
- 途中までメモを書いたけど、また考えてしまった
- 呼吸はしたけど、寝つきはあまり変わらなかった
- スマホを見ないと決めたのに、つい開いてしまった
こういう日は、
「自分はダメだ」と結論づけるのではなく、
「今日はそれだけ疲れてたんだな」
「それでも、メモ1行書けた自分は上出来」
と、自分の評価の基準を下げてあげるのが大事です。
できなかったところではなく、
「できた1割」を見る。
これを続けていくと、
夜の自己否定ループに入りにくくなります。
シリーズ内の他の記事と組み合わせて整える
「考えすぎ夜」の背景には、
- 移動疲れ
- ホテルの環境
- 休日の過ごし方
- 人間関係のストレス
など、いろいろな要素が絡んでいます。
このシリーズでは、
それぞれを別の記事で扱っていく予定です。
- ホテル自体を整える → 第1回「ホテル5分ルーティン」
- 移動疲れから体を戻す → 第2回「体から戻す回復術」
- 考えすぎる夜 → 今回(第3回)
- 休日の整え方や人間関係の距離感 → 今後の記事で詳しく扱う予定
1本ずつでも効果はありますが、
組み合わせていくほど「乱れても戻れる」土台が太くなっていくイメージです。
まとめ:考えすぎの夜は、心を責めず“脳の電源を落とす日”にする
考えすぎて眠れない夜は、
誰にでもあります。
大切なのは、
そんな夜に「自分を責める側」に回らないこと。
- 夜は一日の決算処理が来る時間帯である
- 疲れているほどネガティブに寄りやすい
- だからこそ、「考えを止める」より「外に逃がす」方が合っている
その前提に立ったうえで、
- 3分の“脳のゴミ出しメモ”
- 呼吸と脱力で体をシャットダウンモードに
- スマホと光を“睡眠モード”にする
この3つを、できる範囲でやってみる。
全部できなくても構いません。
どれか1つでもやれたら、それは立派な「脳のセルフ整備」です。
出張先のホテルでも、自宅でも。
考えすぎの夜に、
少しでも翌朝の自分が楽になるように、
この“脳シャットダウン法”を、自分なりの形で取り入れてもらえたらうれしいです。
シリーズ案内
「出張職人の心を整える整備録」シリーズでは、
出張中のホテル・移動・休日・人間関係など、乱れやすい場面ごとに心を整える方法をまとめています。
- 第1回:出張先のホテルで心を整える「5分ルーティン」
- 第2回:移動疲れで心が荒れる日に効く「体から戻す」回復術
- 第3回:考えすぎて眠れない夜の“脳シャットダウン法”(このページ)
シリーズの一覧ページはこちら:
→https://jet110.com/category/mind/





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