そのルート作成、まだ毎回ゼロから考えていませんか?
週初め月曜日の朝。地図アプリを開き、訪問先の住所を1つずつ入力し、乗り換え案内を見比べながら「どの順番で回るのが最も無駄が少ないか」を考える。外勤営業をしていると、この作業は半ば当たり前になりがちです。
しかし、ここに毎週30分、1時間とかけていると、そのぶんだけ提案準備や追加訪問、情報収集に使えたはずの時間が消えていきます。外勤営業では、この差は1日単位では小さく見えても、月単位・年単位ではじわじわ効いてきます。
そこで役立つのが、Googleマップで訪問先を資産として蓄積し、ChatGPTなどのAIでルート案のたたき台を作る方法です。
ただし、ここで大事なのはAIに丸投げしないことです。AIに訪問順やスケジュール案を作らせ、最終確認はGoogleマップや交通機関の情報で人間が行う。この流れにすることで、スピードと安全性の両立がしやすくなります。
この記事では、外勤営業の現場で使いやすい形に絞って、次の3点を具体的に解説します。
この記事でわかること
- Googleマップで訪問先を蓄積し、ルート作成を速くする方法
- ChatGPTで営業ルート案を作る実戦プロンプト
- AIが出した案を安全に検算し、成果につながる時間に変える考え方
「移動に振り回される営業」から、「移動を成果につなげる営業」へ。
そのための実務フローを、順番に整理していきます。
1. 外勤営業がルート作成に時間を奪われる本当の損失
移動は営業の仕事に含まれます。
ただし、ルートを考える時間そのものは、提案や商談のように直接価値を生む仕事ではありません。
もちろん段取りは必要です。問題は、その段取りに必要以上の時間と脳のエネルギーを使ってしまうことです。
時間は「ただのコスト」ではなく「再配分できる資本」
たとえば、毎週1時間をルート確認や訪問順の調整に使っているとします。
これを年52週で考えると、年間で52時間です。
時給3,000円で単純計算すると、
- 1週間あたり:3,000円
- 1か月あたり:約12,000円
- 1年間あたり:156,000円
になります。
もちろん、これはあくまで単純な目安です。
ただ、ここで大事なのは金額そのものより、その時間を何に振り直せたかです。
- 次の商談の提案資料を見直す
- 顧客企業のニュースを確認する
- 近くの既存顧客へ挨拶に立ち寄る
- 移動中に音声学習で知識を増やす
こうした行動は、営業成績や日々の生産性に影響しやすい部分です。
だからこそ、ルート設計の時間は短くしたいのです。
段取り疲れは、商談前の集中力を削る
ルート作成は、地味ですが意外と頭を使います。
住所を確認し、乗換回数を見て、時間帯を調整し、昼休憩も考える。これを月曜朝からやっていると、商談の前に脳が疲れます。
その結果、
- 提案の切り返しが鈍る
- 相手の細かな反応を拾いにくくなる
- 事前に想定していた話が浅くなる
ということが起きやすくなります。
営業の価値は、移動している時間ではなく、顧客の前でどれだけ良い提案ができるかで決まります。
だからこそ、段取りはできるだけ省エネにしたいのです。
「ついで訪問」の機会を逃すのはもったいない
ルートが毎回バタついている人ほど、メインアポだけで一日が終わりがちです。
一方で、地図上に訪問先が整理されている人は、「この近くにB社があったな」「半年ご無沙汰の販売店に5分だけ顔を出せるな」と気づけます。
この違いは地味ですが大きいです。
「近くまで来たので、少しだけご挨拶に寄りました」
この一言で生まれる接点は、すぐに売上にならなくても、後で効いてきます。
外勤営業では、この小さな積み重ねが信頼につながります。

2. Googleマップで訪問先を管理する方法|営業ルート作成を速くする基本
ルート作成を毎回ラクにするには、まず訪問先情報を地図上に蓄積しておくことが必要です。 住所をその都度調べるやり方では、いつまで経ってもゼロからの段取りになります。
手順1:名刺をもらったら、その日のうちに住所をGoogleマップで検索する
訪問後、または名刺交換後に、会社住所をGoogleマップで検索します。 ここで大事なのは、後回しにしないことです。後でまとめてやろうとすると、ほぼ溜まります。
※名刺管理アプリに入れてからまとめて住所エクスポートするのもお勧めですが課金が必要だったりするのでGoogleマップだけで完結する方法で話を進めます。
手順2:「保存」でリストに入れる
検索した地点を、Googleマップの保存機能でリストに追加します。 おすすめは、最初からざっくりでも分類しておくことです。
例:
- 既存顧客
- 見込み顧客
- 代理店
- ショールーム
- 要フォロー
- 地方出張で再訪したい先
細かくしすぎると続かないので、最初はシンプルで大丈夫です。
手順3:ラベルやメモで「次の行動」がわかる状態にする
地点名だけでは、後で見返したときに情報が足りません。 そこで、担当者名や直近のやりとりを短く残しておくと便利です。
例:
- 田中様/26年3月訪問
- 価格改定の案内要
- 新店計画ヒアリング済み
これだけでも、地図を開いた瞬間に「今寄る意味があるか」が判断しやすくなります。
「保存済み」と「My Maps」の使い分け
日常的な訪問先の蓄積は、Googleマップの保存済みで十分です。 一方で、数日がかりの出張計画や特定エリアの攻略をまとめて見たい場合は、My Mapsが便利です。
- 日常運用 → 保存済み
- 特定案件や大型出張 → My Maps
このくらいの使い分けで考えると、運用しやすいです。
地方出張ではオフラインマップも有効
地方では、電波が弱い場所や、建物の中で通信が不安定な場面もあります。 事前に対象エリアの地図をダウンロードしておくと、現地で慌てにくくなります。
これは派手ではありませんが、外回りではかなり効く準備です。
3. ChatGPTで営業ルート案を作る方法|すぐ使えるプロンプト付き
Googleマップに訪問先が整理できたら、次は訪問順のたたき台作りです。 ここでChatGPTを使うと、考える時間をかなり減らせます。
ただし、ChatGPTはナビアプリではありません。 正確な時刻表やリアルタイムの交通事情を完全に反映しているとは限らないため、論理的な順番やスケジュール案を作る役として使うのが現実的です。
入力前に整理しておくと良い項目
プロンプトを入れる前に、次の5つをメモしておくと精度が安定しやすいです。
- 出発地
- 固定アポの時間
- 候補訪問先
- 全体の終了希望時刻
- 移動手段(電車・バス・車など)
これを整理してから入力すると、やり取りが少なくて済みます。

パターンA:公共交通機関向けの基本版
あなたは営業の移動計画を補助するアシスタントです。
以下の訪問先を、移動効率がよくなる順番で並べ、時系列のスケジュール案を表形式で作成してください。
【訪問先】
1. A社:住所(固定アポ 13:30〜14:30)
2. B社:住所
3. C社:住所
4. D社:住所
【条件】
・出発地:XX駅
・出発時刻:9:30
・移動手段:公共交通機関
・滞在時間:A社60分、B社・C社各20分、D社30分
・昼休憩:12:00〜13:00の間で確保
・終了時刻:17:00までにXX駅へ戻る
【注意】
・正確なダイヤ確定ではなく、一般的な移動時間を前提にたたき台を作ってください
・移動負荷が少ない順番を優先してください
パターンB:車移動の地方出張版
車移動での営業ルート案を作成してください。
以下の条件を考慮し、無理のない順番と時系列の予定案を表形式で出してください。
【訪問先】
(住所をまとめて記載)
【条件】
・出発地:レンタカー営業所
・出発時刻:9:00
・連続運転は最大90分まで
・各訪問先で駐車場を探す時間として10分追加
・18:00までにレンタカーを返却
・各訪問先の滞在時間は30分〜60分
・移動効率だけでなく、疲労の少なさも考慮する
パターンC:「ついで訪問」を拾う版
メインアポの前後で挨拶訪問を組み込みたいです。
以下の条件で、無理なく回れる順番を提案してください。
【メインアポ】
A社:住所
開始時刻:15:00
【候補訪問先】
B社:住所
C社:住所
【条件】
・出発地:XX駅
・終了時刻:17:30
・A社は必須
・B社とC社は短時間の挨拶訪問(各15〜20分)
・移動の無駄が少ない順番を優先
パターンD:提案準備まで含めた一日設計版
営業成果を高めるための一日スケジュール案を作成してください。
【固定アポ】
B社:11:00
C社:14:00
【条件】
・各アポの前に45分、近くで資料確認と提案内容の最終確認をする時間を確保
・移動は乗り換え回数が少ないルートを優先
・昼休憩は30〜45分
・終了時刻は17:30
・時系列の表形式で出力
ポイントは、いきなり最適解を求めすぎないことです。 ChatGPTには、まずたたき台を作らせる。その後、人間が仕上げる。この順番の方がうまくいきます。
4. AIで作ったルートをGoogleマップで検算する手順
ChatGPTが出した案は、そのまま使うのではなく、必ず検算します。 ここを省くと、せっかくの効率化が逆にリスクになります。
ステップ1:順番が不自然でないかを見る
まず、AIが出した順番どおりにGoogleマップで地点を確認します。 ここで見るのは、「逆走していないか」「明らかに遠回りしていないか」です。
AIは、住所の関係性だけで並べた結果、実際の移動感覚とズレることがあります。 隣の駅を飛ばして先に遠い駅を入れるような順番になっていたら、そこで修正します。
ステップ2:移動時間を実際のルートで確認する
特に大事なのがここです。 電車・バス・徒歩の時間は、実際にマップで見ると想定と違うことがあります。
確認したいポイントは次の通りです。
- 徒歩何分か
- 乗換回数が多すぎないか
- バス本数が少なくないか
- 車移動なら駐車場がありそうか
- アポ時刻に対して余裕があるか
ここで15分程度のバッファを持たせておくと、かなり現実的になります。
ステップ3:現地の入口や周辺環境を見る
駅から近そうに見えても、実際は大通りを渡る、ビル入口が裏側、工事中で通れない、といったことがあります。 そのため、ストリートビューや周辺検索で入口や周辺の雰囲気を見ておくと安心です。
ステップ4:必要なら公式情報を確認する
地方出張や本数の少ない特急・バス利用では、Googleマップだけでなく交通事業者の情報も見ておくと安全です。 ここまでやれば、「AIの案を使ったせいで遅れた」という状態はかなり避けやすくなります。
要するに、 AIに大枠を作らせ、地図で磨き、必要に応じて公式情報で締める。 この3段階が実務では安定します。
5. 浮いた時間を提案準備と訪問件数に再投資する
効率化の価値は、時間が浮くこと自体ではありません。 浮いた時間を何に使うかで差がつきます。
提案の質を上げる
空いた30分があれば、次の商談前に次のような確認ができます。
- 顧客企業の最新ニュース
- 新製品や価格改定の情報
- 競合比較
- 前回商談の振り返り
- 相手に合わせた話の順番の見直し
この積み重ねは、提案の納得感を高めやすくなります。
追加訪問を1件入れる
ルートが整理されていると、「あと1件行ける」が見えます。 この1件は、すぐ売上にならなくても、後で効く接点になります。
- 半年ぶりの既存顧客への挨拶
- 近くの見込み先への顔出し
- 代理店への短時間フォロー
- ショールームへの立ち寄り確認
営業は、こうした接点の総量も大事です。
移動時間を学習時間に変える
電車や新幹線、飛行機待ち、車移動前後の時間は、意識しないとすぐ消えます。 ここを学習や思考整理にあてると、日々の蓄積が変わります。
- Audibleで営業・心理学・交渉関連の本を聴く
- ノイズキャンセリングイヤホンで集中環境を作る
- 商談後すぐに気づきをメモする
- 次回提案の仮説を音声入力で残す
このあたりは、出張の多い人ほど効きます。
外出先での作業環境も整えておく
カフェや新幹線の中で資料確認や修正をするなら、軽量なモバイルモニターやモバイルバッテリーが役立つ場面もあります。 こうした道具は、劇的な魔法というより、外で仕事をしやすくする補助装備として考えると失敗しにくいです。


6. AI活用で失敗しやすいポイント
便利なやり方ほど、使い方を誤ると雑になりやすいです。 特に気をつけたいのは次の3つです。
1. AIを正解だと思い込む
ChatGPTは便利ですが、ナビそのものではありません。 もっともらしい順番を出しても、実際の交通事情とズレることがあります。
だから、AIは下書き役。この前提を崩さないことが大切です。
2. バッファを削りすぎる
効率化を意識しすぎると、予定を詰め込みすぎます。 でも現場では、商談が長引く、電車が遅れる、雨で歩行時間が伸びる、といったことは普通にあります。
「あと15分あれば助かった」はよく起こるので、最初から余白を入れておく方が安全です。
3. ツールを使うことが目的になる
Googleマップに保存することも、ChatGPTで表を出すことも、それ自体が成果ではありません。 本当に大事なのは、その仕組みを使って提案の質や訪問効率を高めることです。
ここを見失うと、きれいに整理しただけで満足してしまいます。
7. この仕事術で目指したい理想の流れ

この方法を続けると、目指したい流れはシンプルです。
- Googleマップに訪問先が蓄積される
- ChatGPTで訪問順のたたき台がすぐ出せる
- Googleマップで安全に検算する
- 浮いた時間を提案準備や追加訪問に回せる
- 商談の質と接点の量が改善しやすくなる
一気に何かが変わるというより、毎週の段取りが少しずつ整うことが大きいです。 そして、営業の仕事はこの「少しずつ」が後で効いてきます。
まとめ:移動に振り回される営業から、移動を使いこなす営業へ
出張や外回りは、避けられない仕事です。 でも、その段取りの仕方は変えられます。
- Googleマップに顧客情報を蓄積する
- ChatGPTでルート案を作る
- 人間の目で検算する
- 浮いた時間を提案準備や追加訪問に回す
この流れを習慣化できると、ルート作成は毎回の消耗戦ではなくなります。 そして、移動そのものが少しずつ「成果につながる時間」に変わっていきます。
まずは難しく考えすぎず、手元の名刺5社分をGoogleマップに登録するところから始めてみてください。 それだけでも、次の出張や営業ルート作成が少しラクになるはずです。
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