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同じタカラのキッチンなのに、引き出しの奥行きが約9cm違いました。レミューとリフィットの引き出しを、並べて開けたときの差です。グレードの違いはカタログの表より、引き出しを開けたほうが早くわかります。
私は住設業界14年、年100泊の住設メーカー営業です(タカラの社員ではありません)。9月27日に続いて、10月1日にもう一度タカラのショールームへ行き、4グレードの展示を見比べてきました。予約の取り方は前回の記事に書いたので、今回は中身の話です。
値札の並びも、グレードの順になっていませんでした。リフィットの値札がトレーシアより高く、最初に思ったのは「載せたい設備を優先するなら、これで十分かもしれない」でした。値札だけで比べると、グレードを読み違えます。
先に書いておくと、リフィットだけはキャビネットが木製です。シンク下の湿気が気になる家には、ここが分かれ目になります。この記事では、4グレードの違いと、私ならどう選び分けるかを、向かない人も含めて書きます。
結論:4グレードの違いは3つ
実物を見て、違いは3つに絞れました。
- キャビネットの中の素材。リフィットは木製、ほかの3つはホーロー(鉄にガラス質を焼き付けた素材)
- 引き出しの奥行き。レミューはリフィットより約9cm深い
- 見た目の方向性。スッキリ、木目のやわらかさ、昭和レトロ、モノトーン
| グレード | キャビネット(中の素材) | 私の一言 | 展示品の値札(税別・その展示の仕様) |
|---|---|---|---|
| レミュー | ホーロー | 収納力抜群、デザインもスッキリ | 1,254,500円(I型255cm・対面・高さ88cm) |
| トレーシア | ホーロー | 値段と内容のバランスが良い | 875,200円(I型255cm・壁付・高さ85cm) |
| エーデル | ホーロー | かわいらしい昭和レトロ的な雰囲気 | 647,500円(I型255cm・壁付・高さ82cm) |
| リフィット | 木製(引き出しの底板はホーロー) | 木製なのに底板がホーロー。耐久性もよさそうで、コスパ抜群 | 884,500円(I型255cm・壁付・高さ90cm) |
値札はどれも奥行き65cm。2026年10月1日に店頭で見た表示で、工事費は含みません。
表のとおり、リフィットの値札はトレーシアより高い。グレードが下でも、載っている設備しだいで値札は逆転します。読み方は後半のH2にまとめました。まずは1つずつ、実物で見たところを書きます。
レミュー:収納力で選ぶグレード

私の一言は「収納力抜群、デザインもスッキリ」です。展示は対面キッチンで、扉はローズウッドホワイト、天板は人造大理石のグランドホワイトでした。
収納力を感じたのは、シンク側の引き出しです。開けると、上段の中にさらに浅いトレーが入っていて、段ごとに高さが違う。乾物のびんとパスタの保存容器が、立てたまま並んでいました。
コンロ下の引き出しには「かくせるホーローボックス」の表示があります。引き出しの前板の内側にも収納があり、油や調味料のボトルがそこに立っていました。

スッキリと感じたのは、取っ手のデザインと、薄いデザインの天板も選べるところです。キッチン全体の線が細く見えます。
向かないのは、鍋や調理道具が少ない家です。引き出しの深さを持て余すなら、その分の予算は天板や水栓に回したほうが満足しやすい。私ならレミューは「物が多くて、しまう場所に困っている家」に絞って考えます。
トレーシア:値段と中身のバランス

私の一言は「値段と内容のバランスが良い」。展示は壁付けで、扉はグレージュアッシュの木目、天板はソリッドベージュでした。シンクもベージュのアクリル人造大理石で、全体がやわらかい色でまとまっています。
コンロ下の引き出しには、鍋を立てる仕切りと、ボトルを並べる区画がありました。底には「キャビネットは湿気で痛みます」という見出しの説明シート。ホーローの湿気への強さを、売り場で説明するための展示です。
木目の扉で、中はホーロー。私がバランスが良いと感じたのは、この組み合わせを、レミューより40万円近く下の値札で見られたからです(展示の仕様は別物なので、差はあくまで目安)。
向かないのは、白や黒のはっきりした色で揃えたい人。展示は木目とベージュが中心でした。扉の色は選べるので、色見本で確かめるのが先です。私なら、迷ったときの基準はトレーシアに置いて、上か下かを考えます。
エーデル:昭和レトロな色が似合うグレード

私の一言は「かわいらしい昭和レトロ的な雰囲気」です。展示はダークブルーのツヤのある扉で、吊り戸棚も同じ色でした。丸みのあるバー型の取っ手が、レトロな印象をつくっています。
天板はシャインホワイトの人造大理石、シンクはステンレスのらくエルシンク、水栓はシングルレバー。4つの展示のうち、値札がもっとも低いのがエーデルでした(647,500円)。この展示は吊り戸棚まで含んだ値段です。

引き出しは横に3つ並び、鍋、食品、ボウルがそれぞれ収まっていました。ホーローで中が拭けるのは、上の2グレードと同じという説明でした。
向かないのは、ツヤのない落ち着いた質感が好きな人です。展示のダークブルーは光をよく反射します。ただ、扉の色を変えると印象はかなり変わるので、私ならエーデルは「色で選べるホーローのキッチン」として見ます。
リフィット:木製キャビネットに、ホーローの底板

リフィットは、キャビネットが木製です(公式で確認しました)。ここが、ほかの3グレードとの大きな違いです。
それでも私の一言は「耐久性もよさそう、コスパ抜群」でした。引き出しを開けると、底板にはホーローが使われています。水や調味料がこぼれやすい底だけでも拭ける素材なのは、毎日使う場所として安心材料です。
展示はサンドブラックの扉に、大理石柄のキッチンパネル、黒いレンジフード。浄水器内蔵の水栓とIHが載っていて、高さは4つの中で最も高い90cmでした。
向かないのは、シンク下の湿気が気になる家です。過去にシンク下の配管から水が漏れた家なら、私はキャビネットまでホーローの3グレードから選びます。逆に、湿気の心配が少なく、浮いた予算を水栓やコンロに回したい人には、リフィットは筋の良い選択です。
引き出しの奥行き、並べると約9cm違う

レミューとリフィットの展示が隣どうしにあり、コンロ下の引き出しを並べて開けました。メジャーで測ると、奥行きの差は約9cmでした。
公開情報でも、レミューの「たっぷりホーローキャビネット」は、コンロ下と調理スペース下の引き出しが10cmほど深くなる仕様と紹介されています(出典:リフォーム情報サイトの紹介記事)。
写真では、レミュー側に鍋が5つと、前板の内側にボトルが並んでいます。9cmあると、大きな鍋のふたを立てたまま閉められる。数字より「入る物が変わる」と考えたほうが実感に近いです。
トレーシアとエーデルの引き出しは、今回は並べて測っていません。奥行きを重視するなら、ショールームで自分の鍋の直径を伝えて、入るかを聞くのが確実です。
展示品の値札は「グレードの順」に並ばない




値札に書かれているのは「展示セット価格(税別)」。そのグレードの値段ではなく、その展示に載っている仕様一式の値段です。
| 展示 | 値札の金額 | 載っていた水栓とコンロ |
|---|---|---|
| レミュー | 1,254,500円 | ハンドシャワー水栓、ガス(片面焼き) |
| リフィット | 884,500円 | 浄水器内蔵ハンドシャワー水栓、IH(両面焼き) |
| トレーシア | 875,200円 | ハンドシャワー水栓、ガス(片面焼き) |
| エーデル | 647,500円 | シングルレバー水栓、ガス(片面焼き) |
リフィットがトレーシアより高いのは、水栓やコンロなど設備の組み合わせが違うからです。前回紹介した店頭の価格ボードでは、価格帯はレミュー、トレーシア、エーデル、リフィットの順に下がっていきます。値札の並びとは逆転している、ということです。
値札を読むときに、私が見るのは3か所です。
- プラン仕様:間口、奥行き、高さ、対面か壁付か。ここが違えば比べられない
- 組付費の参考価格:本体とは別枠です。レミューは153,000円、エーデルは101,000円と書かれていました
- 扉カラーの変更:色のグループで上下します。レミューの値札では、グループ1に変えると+125,500円、グループ3なら−56,500円
つまり値札は、グレードの差を見る物差しにはなりません。私なら値札は「この設備を載せるといくらか」を知るために使います。グレード同士の比較は、同じ仕様に揃えた見積もりでやり直します。
施工会社の見積書が届いたら、どこを見るかはキッチンリフォームの見積書チェックにまとめました。同じ仕様で2〜3社を並べると、差がどこから出ているかが見えます。
どれを選ぶか:私ならこう分ける
先に、向かない組み合わせから書きます。
- シンク下の湿気が気になる家に、リフィット
- 鍋や道具が少ない家に、レミュー
- ツヤのない質感が好きな人に、展示どおりのエーデル
そのうえで、私の分け方はこうです。
| こういう家なら | 私なら | ただし |
|---|---|---|
| 物が多く、しまう場所に困っている | レミュー | 対面にしないなら、まずトレーシアの引き出しで足りるか確かめる |
| どれにするか決めきれない | トレーシアを基準に置く | 色をはっきりさせたいなら、扉の色見本を先に見る |
| 色で選びたい、予算は抑えたい | エーデル | 吊り戸棚を付けないなら、値札から何が減るかを聞く |
| 湿気の心配が少なく、水栓やコンロにお金をかけたい | リフィット | 過去にシンク下で水漏れがあったなら、ホーローの3つから選ぶ |
私が一つ足すなら、収納は「今の鍋がどこに入るか」で決めることです。今の鍋の直径とふたの高さを測ってから行くと、引き出しの前でそのまま確かめられます。
私自身なら、リフォームで選ぶならリフィットにするかもしれません。工事のときは金額を抑えたい気持ちが働くからです。新築で住宅ローンに組み込めるなら、レミューも視野に入れます。
タカラ以外のメーカーと迷っているなら、トクラスのキッチンのデメリットも見ておくと、どちらの弱点なら暮らしで許せるかで比べられます。
引き出しの深さも、扉のツヤも、写真では伝わりきりません。実物を並べて触れるのはショールームだけ。行く前に予約の取り方を見ておくと当日が早いです。
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よくある質問
Q1. タカラのキッチンは、どのグレードでもホーローですか?
いいえ。リフィットはキャビネットが木製です。私が見た展示では、引き出しの底板にホーローが使われていました。レミュー、トレーシア、エーデルはホーローのキャビネットですが、どこまでホーローかはグレードで違うので、公式の仕様で確かめてください。
Q2. 展示品の値札の金額で工事まで頼めますか?
頼めません。値札は税別で、工事費は含まれていません。組付費の参考価格が別枠で書かれていて、レミューの展示で153,000円でした。実際に払う額は、施工会社の見積もりで決まります。
Q3. 扉の色を変えると値段は変わりますか?
変わります。扉の色はグループ分けされていて、グループで上下します。レミューの値札では、グループ1で+125,500円、グループ3で−56,500円でした。色を決める前に、どのグループかを聞いておくと安心です。
Q4. 展示の高さがバラバラだったのはなぜですか?
展示ごとに選んだ高さが違うからです。今回の4つは82cm、85cm、88cm、90cmでした。キッチンの高さは選べるので、ショールームで自分の高さに合う展示の前に立ってみると決めやすいです。
Q5. レミューとトレーシアの引き出しの深さも違いますか?
今回は並べて比べていません。約9cmの差を見たのは、レミューとリフィットです。レミューの深い引き出しは、コンロ下と調理スペース下が10cmほど深い仕様と紹介されています。トレーシアの奥行きは、ショールームで聞くのが確実です。
まとめ:迷ったら3つの軸で決める
- シンク下の湿気が気になるか。気になるなら、キャビネットまでホーローのレミュー、トレーシア、エーデルから選ぶ
- 物の量。鍋や道具が多いなら、引き出しが約9cm深いレミューを見る。迷うならトレーシアを基準に置く
- 値札の読み方。値札はその展示の仕様の値段で、税別・工事費別。グレードの比較は、同じ仕様に揃えた見積もりでやる
4グレードの違いがはっきり出るのは、扉より引き出しの中です。行ったら、扉を見る前に引き出しを開けてみてください。
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