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同じタカラの洗面台なのに、基本セット価格は5万6,500円から23万6,400円まで。4倍以上の開きがあります。
ただ、ショールームで引き出しを開けて回ると、大事な境目は価格ではありませんでした。キャビネットの箱が、ホーローか木製か。5シリーズはまずそこで2つに分かれます。
この記事では、その境目に「サイズの合わせ方」「見た目」を足した3つの軸で、5シリーズの違いを整理します。私ならどれを選ぶかも、向かない家と一緒に書きます。
私は住設業界14年、年100泊の住設メーカー営業です(タカラの社員ではありません)。10月2日にショールームで比較表の仕様を確かめ、3日には実物の引き出しやボウルに触ってきました。予約の取り方は前回の記事にまとめています。
洗面台のコーナーで最初に足が止まったのは、エリーナでした。座って身支度を整える、最高級のプライベートサロンのような空間。正直、あこがれます。
結論:違いは「キャビネットの素材」「サイズの合わせ方」「見た目」の3つ
比較表と実物を見て、選び分けの軸は3つに絞れました。
- キャビネットの素材。エリーナ、ファミーユ、オンディーヌはホーロー、リジャスト(造作風を含む)とウィットは木製
- サイズの合わせ方。間口60cmに入るのはファミーユ、オンディーヌ、ウィット。半端な間口を1cm刻みで合わせるならリジャスト
- 見た目。リジャスト造作風は木目のオープンキャビネット、ウィットは扉が全20色
ホーローは、鉄にガラス質を焼き付けた素材です。ホーローの3シリーズは「まるごとホーローキャビネット」で、扉、内側、底板、背面までホーローでできています。
木製の2シリーズにも、ホーローは使えます。ただし壁に貼る洗面パネルとミラーパネルまでで、キャビネットの箱はホーローではありません。ここを混同すると、見積もりの段階で話がずれます。

ホーローの壁はマグネットが付きます。ショールームでは、ブラシ立てやフック、ドライヤーまで壁に貼られていました。ネジ穴を開けずに、あとから配置を変えられます。
| シリーズ | 特長(比較表の表記) | 基本セット価格 | キャビネット | 間口(cm) |
|---|---|---|---|---|
| エリーナ | 最高クラスの大容量収納 | 236,400円〜 | ホーロー | 75〜165(7サイズ) |
| ファミーユ | 使い分けできる2wayカウンター | 161,400円〜 | ホーロー | 60〜165(形で異なる) |
| オンディーヌ | お手入れ簡単なホーローボウル | 62,200円〜 | ホーロー | 60/75 |
| リジャスト | 間口1cm刻みでサイズオーダー | 129,400円〜 | 木製 | 75〜150 |
| リジャスト造作風 | 造作風のオープンキャビネット | 194,900円〜 | 木製(木目の造作仕上げ) | 75〜165(7サイズ) |
| ウィット | 全20色の扉カラーバリエーション | 56,500円〜 | 木製 | 60/75 |
価格はすべて税別・メーカー希望小売価格・工事費別です。間口75cm前後で最も安くなる構成の本体価格で、2026年10月2日に店頭の比較表で確認しました。
キッチンの4グレードでも、分かれ目はキャビネットがホーローか木製かでした。タカラを選ぶなら、洗面台もまずここから見るのが早いです。ここからは1シリーズずつ、向いている家と向かない家を書きます。
エリーナ:座って整える、プライベートサロンのような最上位

エリーナは、洗面所を「手を洗う場所」から「身支度を整える部屋」に変えるシリーズです。カタログでは、洗面台からドレッサーまでカウンターを一枚の天板でつなぐプランが紹介されていて、椅子を入れて座ったまま身支度ができます。比較表の特長も「最高クラスの大容量収納」。キャビネットはまるごとホーローで、形は2段スライドの引き出しだけ。扉タイプはありません。

上下の引き出しを開けると、深さがよくわかります。上段には化粧品の小箱やコテ。下段には洗剤の詰め替えボトルが、立てたまま並んでいました。下段の側面には「奥行42cm」の表示があります。
間口は75〜165cmの7サイズ。奥行は60cmの1種類で、ほかのシリーズより深めです。高さは80cmと85cm、カウンターはクォーツストーンかボウル一体の人造大理石(光沢)。タッチレス水栓も選べます。

展示品の値札は293,900円(税別、間口90cm)。基本セット価格は間口75cmの最安構成なので、そのまま比べられません。この差の読み方は、後の価格のH2で書きます。
向いているのは、洗面所で過ごす時間が長く、物も多い家です。タオル、洗剤のストック、ドライヤーまで全部しまいたいなら、まずここを見ます。
向かないのは、洗面所の奥行に余裕がない家。奥行60cmは、ドアの開け閉めや通路に響きます。今の洗面台の奥行を測って、60cmにすると何cm出っ張るかを先に確かめてください。
ファミーユ:家族の使い勝手とサイズオーダーが揃う

ファミーユは、家族の使い勝手とサイズの合わせやすさが両方揃うシリーズです。見ていて「これは使いやすそうだ」と素直に思えました。キャビネットはまるごとホーローです。
特長の「2wayカウンター」は、ハイバックカウンターの仕様です。水栓が壁付けなので、根元に水が溜まりにくい。カウンターを「濡れる側」と「タオルなどを置く乾いた側」に分けて使えます。

展示では、椅子を入れたカウンターが洗面台の横につながっていました。ただ、これは洗面台と一体の天板ではなく、カウンターを造作でつないだ形です。座って使うカウンターを一枚の天板で作れるのはエリーナのほう。ファミーユで同じ使い方をするのは、予算を抑えたい家への提案なのかもしれません。
朝の洗面所は、歯を磨く人と髪を乾かす人が重なります。濡れる側と乾いた側が分かれていれば、タオルやスマホを置く場所で揉めません。
間口はカウンターの形で変わります。
- ベッセル・フラット:センター75・90cm、片寄せ100〜165cm(100〜165cmは1cm刻み)
- ハイバック:60・75・90・100・120cm(1cm刻みなし)
ホーローのキャビネットで、1cm刻みの間口合わせまでできる。そこがファミーユの強みです。ただし1cm刻みは片寄せの100cm以上だけ。間口60cmに入れたいならハイバックを選ぶことになります。
向いているのは、朝の洗面所が家族で渋滞する家です。広めの間口で、使う場所を分けたい家にも合います。
向かないのは、洗面所では手を洗って歯を磨くだけ、という家。カウンターの使い分けを生かさないなら、その差額は別のところに回せます。
オンディーヌ:ホーローの良さを最も安く手に入れる

オンディーヌは、ホーローの良さを最も安く手に入れられるシリーズです。ボウルもキャビネットもホーロー。基本セット価格はホーロー3シリーズのなかで最も低い、62,200円からです。
ただ、デザインは正直ほかより一歩ゆずります。エリーナやファミーユの後に見ると、形はいかにも「洗面化粧台」です。

ボウルを指でたたくと、硬くて丈夫そうな手応えでした。表面のガラス層は、傷や水アカに強い素材です。
一方で、メーカーは「固いものを落としたり、熱湯を注いだりすると破損する恐れがある」と注意しています。強い点の衝撃では、割れや欠けが出ます。
欠けたときは、補修剤で済む場合と修理依頼になる場合があります。保証の対象になるかは原因しだい。写真を添えて、タカラの修理窓口に相談してください。化粧品の瓶をよく落とす家は、ここだけ覚えておくと慌てません。
形は2つあります。
- デッキ水栓タイプ:間口60・75cm。キャビネットは主に扉タイプ。基本セット価格の62,200円はこちら
- ハイバックタイプ:間口75cm。継ぎ目のない壁付けの形で、基本セットは117,700円から
展示されていたのはハイバック(間口75cm)でした。水栓が壁から出ているので、ボウルの縁に水が溜まる場所がありません。
向いているのは、間口75cm以下の洗面所で、掃除の手間を減らしたい家です。
向かないのは、見た目にこだわりたい家と、タッチレス水栓が欲しい家。比較表ではオンディーヌのタッチレス仕様は「ー」でした。
リジャスト・リジャスト造作風:中途半端な間口に1cm刻みで収める

リジャストは、中途半端な間口に1cm刻みで収めるシリーズです。既存の洗面所に合わせる、リフォーム向きの一台。キャビネットは木製で、扉は高圧メラミン、オレフィンシート、化粧紙から選びます。
1cm刻みで合わせられるのは、通常のリジャストのフラットカウンターです。
- 扉タイプ:75〜90cm
- 扉(引出し付)タイプ:75〜150cm
リジャスト造作風は、キャビネット本体が木目の造作仕上げ。オープンキャビネットに、人造大理石(マット)の置き型ボウル(ベッセルボウル)を組み合わせます。
ただし造作風は1cm刻みができません。間口は75・90・100cm、片寄せ120cm、分割の135(75+60)・150(90+60)・165(90+75)cmの固定です。半端な寸法を造作風で埋めたいなら、この表をショールームに持って行って相談します。
ホーローを使えるのは、壁のホーロークリーン洗面パネルとミラーパネルまで。キャビネットの箱はホーローではありません。
向いているのは、既製のサイズだと壁との間にすき間が残る家です。間口が80cmや130cmのような寸法でも、通常のリジャストならぴったり収まります。
向かないのは、シンク下の湿気が気になる家です。過去に洗面台の下で水漏れがあったなら、私はホーローの3シリーズから選びます。造作風は見せる収納なので、物を隠したい人にも向きません。
ウィット:狭い場所とセカンド洗面に、薄くて最も安い

ウィットは、狭い場所やセカンド洗面に向く、薄い最廉価シリーズです。基本セット価格は56,500円から。6つのなかで最も低い数字でした。
展示品の値札は72,300円(税別)。木目の扉に1面鏡の、すっきりした構成です。2階のトイレ脇や、玄関近くの手洗い場所に置く姿が浮かびました。
キャビネットは木製で、扉の色は全20色。今回のショールームでは扉の色見本の実物が見当たりませんでした。白や木目の定番に加え、色で雰囲気を変えられる幅がある、というのがメーカーの打ち出し方です。
高さは75cmと80cmで、75cmを選べるのはウィットだけでした。子どもや小柄な家族が主に使う場所なら、ここも効いてきます。
オンディーヌとの基本セットの差は5,700円。どちらも間口75cm前後の最安構成で、違いは素材です。
- オンディーヌ(デッキ水栓):まるごとホーローキャビネット+ホーローボウル。水栓は2バルブが基本
- ウィット(デッキ水栓):木製キャビネット+ホーローボウル。奥行が浅く、2段スライドはない。水栓は洗面用水栓
ウィットでボウル一体の人造大理石カウンターを選ぶフラットタイプは、76,500円からです。
向いているのは、奥行を取れない場所、2か所目の洗面台を置く家です。
向かないのは、メインの洗面所でキャビネットの中までホーローにしたい家。5,700円の差なら、私はオンディーヌと並べて見比べます。
基本セット価格の読み方:鏡は入っていない
基本セット価格は、キャビネット+カウンター(ボウル)+水栓の最安の組み合わせです。鏡は入っていません。公式の見積明細でも、ミラーは別の行に立っています。
間口75cmの1面鏡で13,800円(税別)から、3面鏡で46,500円前後からです。曇りにくいフェイスクリアミラーは、さらに上がります。
実際に、展示品の値札は基本セットより上でした。エリーナは293,900円、オンディーヌは145,700円、ウィットは72,300円(いずれも税別)。鏡と扉の色、オプションが乗ると、この幅で動きます。
扉の色も価格を動かします。色はグループ1〜3に分かれています。
- グループ1:高圧メラミン
- グループ2:オレフィンシート・DAPコート
- グループ3:化粧紙
基本セット価格は、最も安いグループ3で計算されています。グループ1を選ぶと加算です。差額は色と間口で変わり、公開の一覧価格には出ていません。見積もりで初めて出る数字です。
ほかにも、この価格をシリーズ同士の物差しにしない理由があります。
- 間口75cmの位置づけが違う。オンディーヌとウィットでは大きいほうの寸法、エリーナでは最小の寸法
- 工事の費用が入っていない。今の洗面台の撤去・処分、配管のつなぎ直しは別の見積もりになる
私なら、気になる2シリーズを決めたら、同じ間口・同じ鏡・同じ扉のグループで見積もりを出してもらいます。そこで初めて、シリーズの差が金額で見えます。
どれを選ぶか:私ならこう分ける
先に、向かない組み合わせから書きます。
- 洗面所の奥行が狭い家に、奥行60cmだけのエリーナ
- シンク下の湿気が気になる家に、木製のリジャスト・ウィット
- 物を隠してしまいたい家に、オープンキャビネットの造作風
- 半端な間口を1cm刻みで埋めたい家に、固定サイズの造作風
そのうえで、私の分け方はこうです。
| こういう家なら | 私なら | ただし |
|---|---|---|
| 間口60〜75cmで、掃除を楽にしたい | オンディーヌ | 見た目にこだわるなら、ファミーユのハイバック60・75cmを見る |
| 物が多く、間口90cm以上取れる | エリーナ | 奥行60cmが入らないなら、ファミーユで考える |
| 朝の洗面所が家族で渋滞する | ファミーユ | カウンターを使い分けないなら、その差額は鏡や扉の色に回す |
| 既製サイズだと壁にすき間が残る | リジャスト | 湿気が気になるなら、ファミーユの片寄せ(100cm以上は1cm刻み)が届くか先に測る |
| 2か所目の洗面台、狭い場所 | ウィット | メインの洗面所なら、オンディーヌと並べて見る |
迷ったら、私は1本目の軸だけ先に決めます。シンク下の湿気が気になるかどうか。気になるならホーローの3つ、気にならないなら5つ全部が候補です。
自分の家で考えると、心はエリーナに傾きます。ただ、うちの洗面所は椅子を置く間口が取れません。そこが残念なところです。
現実に選ぶなら、ファミーユのベッセルボウルタイプ。いかにも「洗面化粧台」という顔をしていないのが、個人的には好きです。ただし間口60cmの家なら、ベッセルは入らないのでハイバックかオンディーヌになります。
測っておくものは2つ。今の洗面台の間口と奥行です。この2つがあれば、ショールームで候補が一気に絞れます。
ボウルの深さや引き出しの重さは、写真ではわかりません。行く前に予約の取り方を見ておくと早いです。
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よくある質問
Q1. タカラの洗面台は、どれもホーローですか?
いいえ。キャビネットがまるごとホーロー(扉・内側・底板・背面)なのは、エリーナ、ファミーユ、オンディーヌの3つです。リジャストとウィットのキャビネットはホーローではありません。ボウルがホーローなのは、オンディーヌと、ウィットのデッキ水栓タイプです。
Q2. 基本セット価格で、工事まで頼めますか?
頼めません。価格は税別・メーカー希望小売価格で、搬入・取付費は別です。鏡も含まれていません。今の洗面台の撤去や処分も含め、実際に払う額は施工会社の見積もりで決まります。
Q3. 間口60cmの洗面所に入るのは、どのシリーズですか?
ファミーユ(ハイバック)、オンディーヌ(デッキ水栓)、ウィットの3つです。エリーナ、リジャスト、リジャスト造作風は75cmからでした。60cm前後で半端な寸法なら、ショールームで実寸を伝えて相談するのが確実です。
Q4. 洗面台の高さは選べますか?
シリーズで違います。比較表では、エリーナとファミーユが80cmか85cm、ウィットが75cmか80cm、ほかは80cmでした。背の高い家族がいて腰をかがめるのがつらいなら、85cmを選べる2つを見ます。
Q5. ホーロークリーン洗面パネルとは何ですか?
洗面台まわりの壁に貼るホーローのパネルです。手入れが簡単で、マグネットで小物入れやフックを付けられます。木製キャビネットのリジャストでも、壁のパネルとミラーパネルはホーローにできます。対応はシリーズや形で変わるので、見積もりの段階で確かめてください。
まとめ:迷ったら3つの軸で決める
- シンク下の湿気が気になるか。気になるなら、まるごとホーローのエリーナ、ファミーユ、オンディーヌから選ぶ
- 今の洗面台の間口と奥行。60cmならファミーユ(ハイバック)、オンディーヌ、ウィット。半端な寸法ならリジャストかファミーユの片寄せ
- 基本セット価格は入口の数字。鏡は別で、扉の色でも動く。比べるのは同じ間口・同じ鏡・同じ扉のグループの見積もりで
5シリーズの差がはっきり出るのは、扉の外より中です。ショールームでは、扉の色を見る前に引き出しを開けてみてください。
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